鈴木博美が金メダル! 日本女子は初開催の団体W杯も制する!
男子はスペイン勢がワン・ツーフィニッシュ!
1997年 第6回 アテネ・世陸(ギリシャ)
当初はメキシコで開催予定だったが、経済状況が悪化し開催を辞退したため、開催地が変更されて開催された、第6回アテネ・世陸。男子棒高跳びで「鳥人」ブブカ(ウクライナ)が不滅の世陸6連覇を達成した半面、4連覇を狙った1500mのモリセリ(モロッコ)と3000mSCのキプタヌイ(ケニア)が敗れるなど、新たな王者が多数誕生し世代交代を感じさせた大会となった。
日本勢は、女子マラソンで鈴木博美とW杯団体が金メダル、女子10000mで千葉真子が銅メダルを獲得し、女子マラソンの飛瀬貴子(京セラ)が4位、50km競歩の今村文男が6位、女子5000mの弘山晴美が8位入賞した。入賞こそならなかったが、男子4×100mRでアジア新記録、女子4×100mRの初出場など健闘する姿も目立った。
マラソンは、古代ギリシャの戦場マラトンを出発し、第1回近代五輪が開催されたパンアテナイコン競技場をゴールとする、前半上り、後半下りで日陰のない片道コースが設定された。
また、従来のワールドカップ(国別団体戦)が世陸と統合され、上位3人の総合成績で争う団体戦が行われることになり、各国代表は最大5名エントリー可能となった。
8月9日、女子マラソンがスタート。朝からよく晴れており、直射日光が選手を容赦なく照らした。10km付近で優勝候補のロバ(エチオピア)がペースを上げると、19人の集団がたちまち9人に。この時点で安部が早くも先頭集団から遅れてしまう。その後も小さなアップダウンが続き、次第に先頭集団の人数が絞られて行き、藤村、原も先頭集団の後方で苦しくなる。中間点付近では先頭を走っていたロバが突然リタイア。シモン(ルーマニア)が体調不良から立ち止まり、道端に嘔吐するハプニングも発生した。25kmで健闘していた飛瀬が遅れ始めると、先頭集団は鈴木、カツナ(スペイン)、マシャド(ポルトガル)の3人に絞られる。28km過ぎに鈴木が先頭に立ち、一気に差を広げるとそのまま独走。後半もペースを落とさなかった鈴木は、2位に1分半もの差をつけ世界女王に輝いた。2位以下は大混戦。マシャドが1人前を追い、後方から追い上げた飛瀬が30kmを過ぎてカツナをとらえて3位に浮上。さらにシモンが追い付いて3位争いを展開するが、カツナは35km以降に途中棄権した。単独走で逃げきったマシャドが銀メダル。38kmで飛瀬を振り切ったシモンが銅メダルを獲得した。
日本選手は、一時は3位に浮上する見せ場を作った飛瀬が4位入賞、先頭集団の後方で粘っていた藤村が10位に入り、今回からW杯を吸収する形で行われた団体戦で日本女子が優勝を飾った。中盤まで先頭集団にいた原は19位、序盤から苦しい走りになった安部は29位でゴールした。
8月10日に男子のレースがスタート。曇り空ではあったが、レース終盤には気温が30度に達し、出場108人中38人が途中棄権するハードな戦いだった。前半のうちに日本人選手は集団から姿を消し、最後まで先頭集団に残っていた花田も25km付近で離れてしまった。レースが動き出したのは25km付近。リマ(ブラジル)が揺さぶりをかけ先頭集団から抜け出すが、1kmほどで集団に飲み込まれる。その直後に前回チャンピオンのフィス(スペイン)がペースを上げると、アントン(スペイン)とドスサントス(ブラジル)の2人が続く。28kmでドスサントスが遅れると、フィスとアントンのマッチレースが始まった。延々10km以上に渡り、フィスの後ろにアントンが付く展開が続くと、スタジアムのゲートに入る直前にアントンのスパートがさく裂し、金メダルのゴールに飛び込んだ。フィスは連覇を逃したが堂々の銀メダル。6位にもロンセロが入り、スペインは文句なしの団体戦金メダルを獲得した。3位には25km付近で6位争いをしていたベテランのモネゲッティ(オーストラリア)が30kmを過ぎて3位に浮上。そのまま逃げ切って悲願のメダル獲得となった。
日本勢のトップは中盤以降に粘って走った真内で22位。徐々に順位を上げてきた川嶋は終盤に順位を落として25位、花田は25km付近まで先頭集団で走ったが後半に崩れて34位、前半から先頭集団に付いて行けなかった服部と清水は40位と58位でゴールした。
Result
女子 8月9日
1位 鈴木博美(リクルート) 2.29.48
2位 M.マシャド(ポルトガル) 2.31.12
3位 L.シモン(ルーマニア) 2.31.55
4位 飛瀬貴子(京セラ) 2.32.18
5位 O.フェッラーラ(イタリア)2.33.10
6位 I.ビバ(ドイツ) 2.34.06
7位 S.クローク(ドイツ) 2.35.28
8位 F.モザー(スイス) 2.36.16
10位 藤村信子(ダイハツ) 2.36.51
19位 原万里子(ダイイチ) 2.42.00
29位 安部友恵(旭化成) 2.45.19
日本 団体戦1位
男子 8月10日
1位 A.アントン(スペイン) 2.13.16
2位 M.フィス(スペイン) 2.13.21
3位 S.モネゲッティ(オーストラリア)2.14.16
4位 D.ゴッフィ(イタリア) 2.14.47
5位 L.A.ドスサントス(ブラジル) 2.15.31
6位 F.ロンセン(スペイン) 2.16.53
7位 G.レオーネ(イタリア) 2.17.16
8位 A.サクリー(アルジェリア) 2.17.44
22位 真内 明(旭化成) 2.21.23
25位 川嶋伸次(旭化成) 2.22.33
34位 花田勝彦(エスビー食品) 2.25.00
40位 服部孝宏(カネボウ) 2.26.33
58位 清水康次(NTT西日本) 2.37.11
日本 団体戦6位