モタが男女通じて史上初の世陸・五輪の2冠!

男子はボルディンが大逆転金メダル!

日本勢は男子で中山が4位入賞!

 

1988年 ソウル・五輪(韓国)

 

3大会ぶりに東西両陣営から五輪参加があり、参加国数・参加人数が過去最大になった、ソウル・五輪。五輪をきっかけに韓国は民主化が大きく進んだ。聖火リレーの最終ランナーに、マラソン金メダリストの孫基禎が登場し大きな話題となった。大会MVPと言えるのは女子短距離の、フローレンス・ジョイナー(アメリカ)。200mで世界記録を樹立して100mと4×100mリレーの3冠に輝いた。義妹のジャッキー・ジョイナー・カーシーも7種競技で世界記録を樹立して金メダルを獲得した。また、男子100mではベン・ジョンソン(カナダ)が驚異的な世界記録を樹立したが、後にドーピングで失格となる騒ぎが起きた。繰り上がったカール・ルイス(アメリカ)が2大会連続の金メダルを獲得した。

日本勢は、男子マラソンで中山竹通の4位が唯一の入賞と不振を極めた。

 

9月23日、女子マラソンがスタート。スタート時は18度だった気温がレース中にどんどん上昇。最高気温は25度にも達した。レースは前半スローペースで始まったものの、日本勢3人は第2集団からレースを進めた。先頭集団は徐々にペースが上がると中間点を11人の先頭集団が通過したが、25kmでは4人にまで集団が絞られた。そのまま先頭集団は牽制しあっていたが、32kmの給水でモタ(ポルトガル)が集団から遅れる。すぐに追いついたモタは、逆に38kmでスパート。追いすがるマーチン(オーストラリア)とドーレ(東ドイツ)をじりじり引き離していく。トラックまでマーチンが粘るが、モタが逃げ切って、男女通じて史上初の世陸・五輪の2冠に輝いた。最後まで粘ったマーチンが銀メダルを獲得し、ドーレが銅メダルを獲得した。

日本勢は後半勝負を想定して第2集団からレースを進めたが、海外勢のスピードについて行けず、後半も順位を思ったように上げられないまま、浅井が25位、スタート直後に転倒した荒木が28位、体調不良が響いた宮原が29位と、3人が並ぶようにゴールした。

 

男子マラソンは10月2日にスタート。スタート時すでに気温が24度を超え、女子以上に厳しいレースとなった。イカンガー(タンザニア)、フセイン(ケニア)らアフリカ勢が先頭に立つが、スローペースでレースが進む。日本勢は、中山は集団の先頭付近、瀬古と新宅は集団の後方でレースを進める。徐々に集団が崩れる中、25kmを過ぎてから徐々にペースが上がり新宅が遅れ始める。30kmを過ぎてボルディン(イタリア)がペースを上げ、31kmで中山がさらにペースを上げると瀬古が遅れ、先頭集団は6人に絞られる。36kmでサラー(ジブチ)がスパートすると、中山が遅れ気味になり先頭集団はワキウリ(ケニア)、ボルディンと3人に。38kmでサラーが2度目のスパート。ワキウリが少し離れて追うが、ボルディンは10m以上遅れてしまった。しかし、そこからボルディンが驚異的な追い上げを見せ、40km手前でワキウリ、41km手前でサラーを抜き去って、イタリア初の五輪マラソン金メダルに輝いた。2位争いは41kmで追いついたワキウリが制し、積極的に仕掛けたサラーが3位に入った。順位は違うが前年のローマ・世陸のメダリスト3人が、そのままメダリストに返り咲いた。

日本勢は、31kmで積極的に仕掛けた中山が、トラックまで前を猛追して4位入賞。31kmまで先頭集団で粘った瀬古が9位、新宅は25kmから遅れ始めて17位でゴールを迎えた。

 

Result

 

女子 9月23日

1位 R・モタ(ポルトガル)    2.25.40

2位 L・マーチン(オーストラリア)2.25.53

3位 K・ドーレ(東ドイツ)    2.26.21

4位 T・ポロビンスカヤ(ソ連)  2.27.05

5位 趙 友鳳(中国)       2.27.06

6位 L・フォッジ(イタリア)   2.27.49

7位 D・カーバー(ルクセンブルク)2.29.23

8位 M・クラトロ(イタリア)   2.30.14

25位 浅井えり子(日本電気HE) 2.34.41

28位 荒木久美(京セラ)     2.35.15

29位 宮原美佐子(旭化成)    2.35.26

 

男子  10月2日

1位 G・ボルディン(イタリア)     2.10.32

2位 D・ワキウリ(ケニア)       2.10.47

3位 A・サラー(ジブチ)        2.10.59

4位 中山竹通(ダイエー)        2.11.05

5位 S・モネゲッティ(オーストラリア) 2.11.49

6位 C・スペディング(イギリス)    2.12.19

7位 J・イカンガー(タンザニア)    2.13.06

8位 R・ド・キャステラ(オーストラリア)2.13.07

9位 瀬古俊彦(エスビー食品)      2.13.41

17位 新宅永灯至(エスビー食品)    2.15.42