五輪で初の女子マラソン開催! ベノイトが初代女王に輝く!
男子はロペスが五輪新記録で史上最高齢金メダルに輝く!
日本勢は宗 猛が4位入賞!
1984年 第23回 ロサンゼルス・五輪(アメリカ)
全世界に向けたテレビ放映の開始、五輪マークの商用権使用、女子マラソンの初開催、入賞が8位までに拡大など、五輪として大きな転換が行われた大会になった。その一方で東西冷戦の政治的緊張を反映し、東側諸国(ソビエト・東ドイツ・中国・キューバなど)が参加を見合わせる事態となり、参加国は140カ国ほどにとどまった。大会の主役は、地元アメリカの若きヒーロー、カール・ルイス。100m、200m、400mリレー、走幅跳の4種目で金メダルを獲得し、1936年ベルリンオリンピックのジェシー・オーエンスの偉業に並んだ。女子ではブリスコフックスが200m、400m、1600mリレーの3冠を獲得。男女とも地元アメリカ勢が金メダルを量産した。
日本勢では、マラソンの宗猛が4位、やり投げの吉田雅美が5位、10000mの金井豊と走り幅跳びの臼井淳一が7位入賞を果たした。
8月5日、50人が参加して五輪史上初めて行われた女子マラソン。黎明期ということもあり選手の実力差が大きく、前半から集団がばらけた展開となった。その中でスタート直後から集団を抜け出したのはベノイト(アメリカ)。増田がその後ろにつくが、すぐに後方集団に吸収されてしまう。2位集団を徐々に引き離したベノイトが5km付近から早くも独走。有力選手がいる2位集団をしり目に、マイペースで逃げたベノイトが終盤までペースを落とさず後続に1分以上の差をつけて、五輪史上初の女王に輝いた。後続では20kmを過ぎてからワイツ(ノルウェー)がペースを上げると、18人の集団が徐々に崩れていく。30kmを過ぎてワイツが集団から抜け出して銀メダルを獲得。37kmを過ぎてクリスチャンセン(ノルウェー)を振り切ったモタ(ポルトガル)が銅メダルに輝いた。
また、アンデルセン(スイス)が脱水症状でフラフラになりながら競技場に戻ってくると、倒れそうになりながらもスタジアム内を5分以上かけて37位でゴールした姿が、マラソンの過酷さを世界中に知らしめた。
日本勢は、増田がスタートから先頭に付いたが、16kmを過ぎて途中棄権となった。後半集団から自分のペースを守った佐々木は、大健闘の19位でゴールした。
8月12日スタートの男子マラソンは、夕方とはいえ30度を超える暑さとの戦いとなった。レースは前半からアフリカ勢によるペースの上げ下げが繰り返されるサバイバルレースになったが、30kmでも日本人選手3人を含む10人ほどの集団が通過する大混戦。そこから、キャステラ(オーストラリア)、イカンガー(タンザニア)ら有力選手が集団から遅れ始め、徐々に人数が絞られる。日本勢は30km手前で宗茂、34kmで瀬古、35kmで宗猛と次々に脱落。35kmを過ぎて先頭集団はロペス(ポルトガル)、トレーシー(アイルランド)、スペティング(イギリス)の3人に絞られた。37kmでロペスが意表を突くロングスパートで抜け出すと、そのまま後続を振り切って歴代最高齢の37歳ながら五輪新記録で金メダルを獲得した。2位争いは無名の2人がトラックまでもつれ込む大接戦。最後の直線で体ひとつ抜け出した初マラソンのトレーシーが銀メダル。銅メダルのスペティングとは、わずか2秒差だった。
日本勢は、3人とも終盤まで先頭集団におり、最後まで粘った宗猛が4位入賞、瀬古は終盤に崩れて14位、宗茂は17位でゴールを迎えた。
Result
女子 8月5日
1位 J・ベノイト(アメリカ) 2.24.52
2位 G・ワイツ(ノルウェー) 2.26.18
3位 R・モタ(ポルトガル) 2.26.57
4位 I・クリスチャンセン(ノルウェー)2.27.34
5位 L・モラー(ニュージーランド) 2.28.34
6位 P・ウェルチ(イギリス) 2.28.54
7位 L・マーチン(オーストラリア) 2.29.00
8位 S・ルーガー(カナダ) 2.29.09
19位 佐々木七恵(エスビー食品) 2.37.04
増田明美(川鉄千葉) 途中棄権
男子 8月12日
1位 C・ロペス(ポルトガル) 2.09.21 五輪新記録
2位 J・トレーシー(アイルランド) 2.09.56
3位 C・スペティング(イギリス) 2.09.58
4位 宗 猛(旭化成) 2.10.55
5位 R・ド・キャステラ(オーストラリア)2.11.09
6位 J・イカンガー(タンザニア) 2.11.10
7位 J・ンザウ(ケニア) 2.11.28
8位 D・ロブレン(ジプチ) 2.11.39
14位 瀬古俊彦(エスビー食品) 2.14.13
17位 宗 茂(旭化成) 2.14.38